6月11日・新宿脱原発デモ（集会）
あの大地震から3カ月。被災地で鎮魂を祈る行事が行われた日に、
一向に事態が収拾されない福島第一原発の事故やそれに伴う放射能漏れなど
原子力発電に対する怒りを結集させ、脱原発を求める
100万人アクションを起こすことをネットで知り、
大規模なデモ行動を予定している新宿中央公園に足を運んだ。
（写真はデモで使われた、音楽設備を積んだトラック。）
デモ行動の集合場所に着くと、南相馬市から来た人々がのぼりを立てていた。
引き続き義援金を募集しているとのことで、募金箱を携えながら
集合場所の中をを回っていた。
そののぼりの近くでは川柳らしきものが書かれたムシロがあった。
みんなで脱原発川柳を詠みながらデモに参加するという一団で、
すこし経った後に、ここから「鉄腕アトム」の替え歌が聴こえてきた。
自分たちの得意とする形で訴えて行こうとするそのやり方は多様化している。
午前中まで降っていた雨もすっかりやんで、
風船やプラカード、またはチラシ片手に
少しづつ人が集まってきた。
午後2時が過ぎたところで、やっと集会が開始された。
あらゆる団体が玉石混淆で集まっているような感じだった。
もっとも一番目立っていたのは全共闘系や一般ユニオン系の労組や団体の旗だったのだが。
そしてステージ近くには「たんぽぽ舎」などの環境系の市民団体の旗もあった。
集会ではこの行動に共鳴した人たちの挨拶や演奏が行われた。
その中で、私が知っている範囲の有名人、ライターの雨宮処凜さん。
福島の「原発難民」の人々がデモをしていたことに衝撃を受けたそうだ。雨宮処凜オフィシャルブログ
その後に俳優の中山一也氏がステージに立ったのには驚いた。
「政治家どもはみんな死刑だ！」
「山本太郎は知っているけど、ドラマ降ろされたんだよな。バカヤロー東芝！」
このような集会やデモとは無縁だと思っていただけに、
この颯爽たる登場には予想外だった。ROOFTOP
(ルーフトップ)・吉田豪の雑談王国（ニューエストモデル風）：中山一也（前編）
また、自らのブログで脱原発を訴えた
アイドル藤波心も挨拶をした後、
「ふるさと」を歌って会場を沸かせた。
そして3時過ぎになってデモ行列はスタート。
しかし警察の誘導で5列に並んで少しづつ移動する形になったので、
主催者側もメガホン片手に
「デモに参加する方は早く車道に出て、先頭についてください！」
そうしないと警官の手で行列を区切られてしまうからだ。
デモの隊列は３つに区切られた。
最初の隊列は「反核」の垂れ幕を掲げて、
ゆっくりと車と行列を進ませて都庁南から
新宿駅方向へと進んだ。
車は普通の車（NO NUKESのメッセージ付き）トラックを借りた「音楽車」と言ってもいい車があり、
その中ではロックバンドが反・脱原発ソングを歌い続けた
まるでライブハウスのようだった。
デモではなぜかチンドン屋さんを思わせる集団も参加していた。
なぜなのかというと。
2つ目の隊の先頭にチンドン隊がいた。
この人々の演奏についてデモが進み、
シュプレヒコールを上げていたのだった。
ちなみに演奏していたのは「We Shall Overcome」だった。
そして3つ目の隊列はラップだった。
写真は取り損ねたが、ただの叫びまくるだけのデモとは違う
楽しさを加えて、参加しやすくしようということか。
（太鼓で参加していた人々の写真。）
いろいろなプラカードも見かけた。
地図や額が落ちたり曲がったりしたままで、
「節電しないと停電？ウソ―！」
このプラカードも考えさせられた。
「ハトに餌をあげないで下さい。被曝します。」
人間よりも先に動物が脅威を受けることを忘れるなというわけか。
歩道にもデモを追いかけたり、見つめたりする人々がたくさんいた。
この女の子もその一人だったが
この写真を撮った後にデモの列に加わってしまった。
デモを誘導する警察の車両。
デモを整理するとはこんなふうにやるものだと。
改めて知った。
そして沿道では、私服警官が
デモの動きを記録したり、現状を報告していた。
何か騒乱が起きたときには動かぬ証拠になるのだろうか。
めったに見ることがない、警察の仕事がここにあった。
デモ隊は新宿駅を前にして、なぜか
ヨドバシカメラのある小さな通りに誘導させられて、
ずっと小さな道に押し込められると思ったら…
ふたたび京王百貨店前から
表通りに戻る形になり、
そのまま新宿駅東口のロータリーに進ませた。
そして中央高速バス停の前で、
後の隊列が離れているからとのことで
最初の隊列を一時停止させた。
そこで車のほうからこんな訴えが。
「見ているだけでは何も変わりません。このデモは誰もが自由に参加することが出来ます！」
その一方で隊列の間隔が空いたことに警察は苛立ち、
「前を向いて歩きなさい！列を乱すのは東京都公安条例に違反する！只今午後4時25分！」
しかし、隊列を迷路に入れたような
警察のやり方にこそ疑問を感じざるを得ない。
小田急ハルク前の歩道橋からも
デモを見ている人がいっぱいだ。
そしてここからも「反原発」の意思表示が。
そしてデモの行列は
いよいよ靖国通りに入った。
歩道橋からその状況を見ることにしたが、
この橋の上にも私服警官が隊列を監視していた。
靖国通りに入ったデモ隊は、
交差点を横切ったところでさらに迫力を増した感じだ。
列の中は熱狂で包まれたに違いない。
そしてデモ隊はガード下へ。
このとき右翼の街宣車も近くの交差点で信号待ち。
街宣車の音とデモの音が張り合っているというより、何かうまく混ざり合っているような感じがした。
周りの喧騒がそうさせているのか。
デモ隊はついに歌舞伎町に入った。
ここでもデモを見つめる目がたくさんあったが、中には缶ビールを片手にしている人もけっこういた。
残念ながらここからデモ隊とは離れたが、花園神社付近からアルタ前の最終地点まで熱狂は続いたという。
主催者発表ではデモの参加者は2万人。この数字の持つ意味は大きいと思う。
新宿脱原発デモの動画（2ヶ国語版）
6月12日・松戸エネルギーダイエットアクション
翌日は、松戸駅前で行われた
「被災地支援エネルギーダイエットアクションin松戸」に行ってきた。
駅の東口では、東京電力への責任追及や脱原発をすすめる為の署名活動をやっていた。
西口の広場では、ステージを組んで
歌やトークなどのイベントがこれから始まろうとしていた。
原発事故で大きな影響を受けた福島・南相馬市の復興支援も兼ねているとのこと。
桜井南相馬市長からのメッセージと募金箱も置いてあった。私も僅かながら募金をさせてもらった。
ステージは主催者側の挨拶に続いて、
ツイッターで知った主婦シンガー「はな」さんが歌った。
オリジナルの歌（「ハチドリの唄」「お家へ帰ろう」など）の他に、
「カントリーロード」「アンパンマンの歌」も歌い、
心が癒された気分になった。
「はな」さんのブログ
そのステージの隣では、南相馬へ千羽鶴を送るコーナーのほかに
省エネグッズとしてLED電球が展示されていたり、
松戸市内の放射線の測定状況が地図上に掲示されていて、みんなが注目して見ていた。（市だけではなく民間の測定結果も載っていた。）
メッセージをみんなで書いて南相馬などに送るコーナーがあった。
みんな戸惑いを持ちながらも、原発に対する不安は同じなのだ。だから私もこう書いた。
Ｎｏ！Ｎｕｋｅｓ！と。今の東電と国の体制のままで原子力発電推進を許してはならない！