8月11日・鹿島臨海鉄道
8月11日、7月12日に全線復旧開業させた鹿島臨海鉄道線に乗った。
佐原から鹿島線になると何もなかったかのような農村風景があったが、この稲穂が高濃度の放射能汚染になっていないことを祈るしかない。
鹿島神宮が近くなると、北浦が見えてきた（写真）。
豪雨があった翌日なので、水位が少し上がっていたような感じだった。
鹿島神宮駅に着いたがここで１つ失敗した。
鹿島線はＳｕｉｋａが使えなかったことを忘れていた。
駅の改札窓口で改札証明をしてもらって鹿島臨海鉄道の切符を買い、乗り換え。
駅前は一部工事中の所もあったが、落ち着きを取り戻していた。
車内では全線復旧記念乗車券の販売広告があった（既に完売とのこと）。
車内は平日の昼間ということもあって人はまばら。
車窓は瓦がはがれた家屋と芝がはげたグラウンド以外はふつうの風景と変わりなかった。
でも、海に近いところは被害も大きかったと思うし、（鹿島サッカースタジアムも被災したし）
最後に復旧した新鉾田・大洋間は土砂崩れで線路が浮き、再建に多くの費用を費やしたという。
だが、私はその区間に入ったときに寝てしまい再建後の姿を見ることはできなかった。
目が覚めたころには涸沼駅を列車は出発していて、大洗に向かっていた。
大洗からはけっこう人が乗り、何事もなく列車は定刻通り
水戸駅に到着した。列車の側面には「感謝」と「がんばっぺ」のマークがつけられていた。
普通に列車が走る風景が当たり前だったのに、それが震災で奪われた苦渋は大変だったと思う。
本当にこの風景が戻って良かったと思う。これからも応援していきたい。
8月12日・東京で福島の農民漁民がデモ
12日。東京駅周辺に用事に行ったときに、
外堀通りを銀座方向から八重洲3丁目の駐車場へ、
デモ行進をしているのを見た。
福島の農民漁民たちの決起行動だった。
デモを終えて駐車場へ向かう人の列。
むしろに書かれたメッセージは「負けないぞしらかわ」
福島県全体から参加しているのがわかった。
切実でかつ不屈の強い声そのものだ。
この写真も駐車場前で撮った。
デモが行われる前に日比谷野外音楽堂で総決起集会が行われて
あの渡部恒三も出席して、次の内閣で福島の除染を徹底的にやると言ったときは
デモの参加者から大きな拍手が起きたそうだ。
稲わらからセシウム検出で肉牛の出荷停止など災難が続いているのに、
いまだに一部しか賠償が行われていない。
まさに「モーモー限界状態」。
出荷停止の解除はいつになるだろうか？
デモ行進は新宿の時と同じ3つの列に分けられていた。
5人づつで横に並んで1車線を使っての行進だった。
東電本店前も、もちろん行進したそうだ。
「福島県の豊かな大地と海を返せ！」
デモ車の側面にこう書かれていた。
国の迷走は3・11以前の福島に永久に還らないのかという絶望を与えている。
プラカードに書かれたこの声。
冷却水漏れが続き、海を放射能が汚している。
福島沖の漁はいつになっても再開できない。風評被害も深刻だ。
Vサインをだして「東電バカヤロー」。
その裏には黒地に白い文字のプラカードがあった。
ズバリ「うそをつくな」と書かれてあった。
ここでは「生まれた故郷を返せ」の声があった。
26日には一時帰宅も行われる予定の地域もあるが、
自分たちで頑張らなければ戻ってこないのか。国や東電をアテにしてはいけないのか？
漁協関係者のデモの先頭。
このデモでは約2500人も参加したそうだ。
「家族を返せ」
これを見たとき、会津の避難先から大熊町に戻ったあのお父さんを思い出した。
本人もご家族もいまどうしているのだろうか。
避難生活はまだ続いていると思うのだが。
2011年3月24日〜27日
郡山市からもデモ行進に参加している人がいた。
郡山にも避難生活を送る人もたくさんいたことを思い出した。
ＪＡいわき市ののぼりを見た。
被災地にもっとも近いところだ。
でも怒りの声は農民だけではない。
いわきの漁業関係者からのメッセージ。
「豊かないわきの海を返せ」
写真の中にまとまらなかったが、子どもたちが書いた絵が下にたくさん貼ってあった。
福島の子どもたちが政府に直接質問したのはこのデモから5日後のことだった。
ＹｏｕＴｕｂｅ「原発事故、福島の子どもたちが直接質問」