19日・旭から小見川まで
19日に震災の状況を自分の目で見るために、千葉の旭市まで行くことにした。
電車を乗り継いで千葉まで行き、総武本線の成東行きに乗る。
佐倉までは普通に走っていたが、佐倉から成田線の分岐点に入るところで徐行して慎重に運転しているようだった。
千葉県内のＪＲ・私鉄はまだ間引き運転が続き、特急は全て運休していて、まだまだ余震や計画停電でひどい状況が鉄道を襲っていたのだ。
成東で乗り換えて旭に着いたが、
駅前通りで道路の拡張工事をやっていた以外は、街は平穏を保っていた。
海沿いへ向けて足を運んでも、地震や津波で影響を受けた跡は一つもなく
ホッとしたと同時に自分の情報不足を恥ずかしく思った。
帰宅後に調べて直したら、津波を受けた海沿いは駅から1キロ以上離れていたところで、
しかももっとも影響を受けたのは、旭駅ではなく、もっと銚子寄りの
「飯岡」駅の方だったことがわかった。
それがわからなかった私は、旭中央病院前まで戻り小見川駅行きのバスに乗る。
内陸部のほうはどうなんだろうかと思ったからだ。
バスから見る風景は大きな爪痕は何もなく平穏で、のんびりした雰囲気だった。
小見川駅でも何も変わったことはなかった。
千葉駅の普通電車に乗ると、車窓から屋根瓦が崩れた家屋をところどころで見かけた。
やはり地震で受けた影響は大きかったのだ。
途中の駅で「鹿島神宮」行きの電車と交換したが、
鹿島線は延方から鹿島神宮までは運転を見合わせていた。
「連絡バスとつながっているのかな？」と思いながらも、これ以上調べることもできず
成田経由で松戸に戻り、友人たちと飲み会。
計画停電の謎についてみんなで首をかしげながらも、久しぶりの再会で盛り上がった。
なにより全員無事が生で確認できたのが良かった。
20日・宇都宮から水戸まで
翌日の20日は納豆が不足していたのと、茨城の状況はどうなのかを見るため、
宇都宮経由で水戸へ行くことにした。まだ常磐線が土浦まで（それも通常時の5割）しか運行されてなく、
その一方で、北関東道経由で宇都宮・水戸間を走る路線バスが復活したとの情報があったからだ。
松戸から北千住、ここから東武日光線快速で栃木へ。
東北本線や東北新幹線が不通になってもこの会津鬼怒川線だけは、
東京と福島を結ぶ貴重な存在として走っていたのだ。
栃木からは宇都宮線に乗り換える。
そして宇都宮に到着。東武百貨店でやっと1パック150円の納豆を手に入れた。
都心のスーパーでは納豆が売り切れ状態だったので嬉しかった。
宇都宮でも地元の大学生やボランティア団体などが義捐金活動をさかんに行っていた。
こちらはＪＲ駅前で行っていた、栃木県日中友好協会の募金活動。
地元のテレビ局らしき取材カメラも映していた。
そこでわずかながら募金をして餃子定食を食べた後、いよいよバスで水戸へ。
最初に高速道路を走っていたとき、路盤は比較的に安定していたが、
水戸インター付近では道がデコボコになっていた。
ＪＲ赤塚駅前では倒壊していた商店らしき建物も見た。
水戸駅直前の車窓からこんな状況も見た。
建物と道の間に割れ目ができていたようだ。
水戸駅北口では駅ビルの中にも入れず、東西自由通路は閉鎖されていた。
しかも東京や土浦へ行くには南口バス乗り場にいかなければいけないので、
通路前の案内どおり遠回りして南口へと行くことにした。
その途中にも地震の影響をそこかしこに見た。
水戸駅前からＪＲの線路を見た。復旧作業にいそしむ人々。
千波大橋を渡ると消防車のサイレン。何だと思って行って見ると、
県立美術館前の芝生が火事になっていたのだ。
消防活動が早かったため大事に至らなかったが、
周辺の道はかなり地震でやられていた。
そこから水戸駅南口へ。その途中のガストにて。
さらにこんな看板を
「永久に不滅です」は周りを奮い立たせてくれるかもしれない。
近くの川岸でも、道路が被害を受けたところがあった。
水戸駅南口に到着。道路が損傷した所がけっこうあった。
しかし駅前ビルの居酒屋のスタッフたちは、
一生懸命お弁当を売っていた。そこには
「がんばれ日本！がんばれ茨城！がんばれ水戸！」の気持ちがいっぱいに詰まっていた。
東京行きのバス乗り場は混雑状態だった。無理もない。唯一の大動脈だから。
そして私は土浦駅行きの連絡バスに乗ったのだが、運転手さんもガイドさんも
いつもとは違うピストン運行で疲労困憊だとのボヤキも聞こえた。
このバスが水戸を出てすぐに、今年のセンバツに出場した水城高校の校舎を見たが、
テニスコートの看板の一部が落ちていたのが見えた。
甲子園ではいい戦いをしたが、勝たせてあげたかったと今でも思う。
今度は夏だ。頑張ってほしい。